映画「アイ・アム・レジェンド」の概要と見所、不満。

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この記事の目次
  1. 概要
  2. 見所
  3. 不満

映画「アイ・アム・レジェンド」を見ました。この映画を見たのは今回で3回目くらいになります。ということで見所と不満を書きたいと思います。

不満が多いですが3回は見てるんですよね。不思議です。

最初に、この記事は、同映画の内容を含んでいるため、事前に知りたくない人にはお勧めできません。

概要

邦題 アイ・アム・レジェンド
原題 I Am Legend
公開日
(日本)
2007年12月14日
人物 ロバート・ネビル(ウィル・スミス)
アナ(アリシー・ブラガ)
イーサン(チャーリー・ターハン)

映画「アイ・アム・レジェンド」はウィル・スミス主演の感染症パンデミック映画で、ゾンビ系の要素も随所に盛り込まれています。

エンドロールを除いた本編は90分強と映画としては意外と短めでさらっと見ることができます。

見所

絶望的世界の描写

致死率90%のウイルスが世界に蔓延し、数字通りに9割の人間がそのウイルスで犠牲となり、生き残った1割の内のほとんどがダークシーカーと呼ばれるゾンビのような凶暴な存在に変貌し、健常な生存者は1,200万人程度とされる、そんな世界の描写が実感できるのはただただすごい。

人口が激減して荒廃した大都市の風景描写も衝撃的です。

愛犬との絆

主人公のロバート・ネビルはニューヨークで唯一の生存者、とされているため、その愛犬は主人公にとってまさに家族であり、荒廃した街で生き残る上での重要なパートナーでもある。その家族愛にはぐっとくるものがあります。

劇中で、愛犬が不用意に危険な場所に入り込んだ際は、自分にも命の危険が及ぶにもかかわらず助けに向かうシーンがあり、ロバート・ネビルにとってこの愛犬がいかに大切な存在かがよくわかります。

不満

なぜこんな世界になったのかがわかるシーンが出てくるのが遅い。

軍隊(の医学的分野)に所属する人物が主人公で、かつ上からの命令に従わない性格だから軍事的な衝突やアクションがあるのは理解できるんですけど、せっかく「感染症の爆発的な拡大」をテーマにしているのにミリタリーアクションが出てくるのはやはりがっかりします。闘うべきはウイルスであって軍隊内の上官ではない、はずですよね、本来であれば。

宿主を見つけるだけで解決、するの?

人類の9割が死んだとされるパンデミックの状況で、主人公のロバート・ネビルはニューヨークで唯一の生存者らしいが、なぜそうなったのかの説明が作品内の展開としては小出しになっています。

街に潜み、主人公を襲うダークシーカーが一体何なのかの説明もなかなか出てきません。

話の進み具合によって真実を少しずつ出していく手法はよくありますが、それが効果的なのは、はっとしたり、驚いたりするような、意外性がある背景が隠されている場合であり、この映画の場合は特に驚くような真実は隠されていません。

だったら普通に冒頭でおしえてほしかった。ちょっと短い映画なんだから20~30分くらいで現在の状況に至るまでの世界とニューヨークの状況を描けばよかったのに、と思ってしまいます。

何を見せたいのかはっきりしない?

この映画には(間違いなくロバート・ネビルが洗車している)ピカピカのスポーツカーが荒廃した街中を軽快に走るシーンがほどほどにあり、ほどほどの怖さのダークシーカーと呼ばれるゾンビっぽい感染者が登場し、ほどほどの戦闘シーンとほどほどのアクションシーンがあり、科学者として感染症の治療薬を研究するシーンもほどほどにある。

そう、全てがほどほど、悪く言うと中途半端なんです。よって何を見せたいのかが最後までわからない映画です。

3年ぶりに生存者に会ったのになぜ懐疑的?

ロバート・ネビルは3年にわたりニューヨークで1人(と犬1匹)で生き抜き、他の生存者に向けてラジオでメッセージを送り続けてきました。

3年間なんの反応もなく自分以外の生存者は皆無なのかもしれない、と思い始めていたのかもしれませn。

そこへ生存者が現れ、他の生存者が集団で暮らしているとされる場所の話を耳にするが、ロバート・ネビルはそのことをまったく信じようとしません。

なぜ?そこがしっくりきません。

科学者だったら今まで0だと思っていたものが1だとわかったなら、2も3もあるのでは?と考えると思うんですけどねぇ。

自身の生命の危機の瞬間に都合よく助けがくる。

「ピンチで救世主が登場する」のは映画あるあるですけど、この映画はひどい。

なぜか?

3年も自分以外の人を見ていない状況で、ちょうど自分が死にそうなときに人が登場しますか普通?しないと思うんですよねぇ。偶然にしてはでき過ぎています。

無理やり考えると、実は過去にも生命の危機は何度か会って、過去の危機は自力で乗り越えてきて、そのシーンが描かれていないがために、この偶然だけが特異に見えてしまうのかもしれませんが、劇中で描かれていなければないのと同じです。

ウイルスの設定に疑問

がんの治療薬に使えるウイルスが、致死率が高く空気感染するウイルスへと変異し、さらには一部がゾンビ化するような特異性をももつ。

まぁ、ここまではよしとしましょう。

でも、犬は空気感染しません、ってあっさり劇中で言ってるけど、そこはちょっと自由設定が過ぎる感じがしました。